医師募集

病理に興味がある医師募集

当病理部・病理診断科では病理専門医、細胞診専門医の取得を目指す医師を募集しています。
研修者は日常業務(検体処理、病理組織診断、細胞診、術中迅速診断、病理解剖など)に従事するとともに、各種教育セミナー、臨床病理カンファランス、学会・研究会への参加、を通して病理診断の作法と思考過程を修得することができます。
病理専門医研修指導医の資格を有するスタッフが病理専門医資格取得までサポートします。
病理医は形態観察によって「The Doctor’s Doctor」として各診療科の医師と協力しながら診療を支援する専門家です。 高いモチベーションと向上心、誠実さに溢れる後期研修医を歓迎します。

医師・研修医・学生の声

医員 塩見 祐子先生

熊本大学細胞病理学分野の塩見祐子と申します。
私は、病理医1年目の平成25年度に病理部で研修を行いました。
大学病院は全ての科があるという特色上、病理診断においても偏りなく多くの症例を経験することができました。また病理部のスタッフは医師、技師とみな同じ部屋で仕事をするので、コミュニケーションがとりやすく、私も皆さんから色々教わりながら仕事を進めることができました。
病理というと難しそうとか、顕微鏡をみるだけ、といったイメージで敬遠されることがあるのですが、生検や手術材料の診断、病理解剖、切り出し、術中迅速診断など、診療の重要な部分を担っており、日々責任を感じると共に、とてもやりがいを感じています。
また病理は当直がなく、体力がそんなに要らない(忍耐力は要るかもしれません)ので、女性医師や、じっくり仕事をしたい男性医師にも魅力的かなと感じます。少しでも「病理診断」に興味を持った方は病理部・病理診断科の見学をして、病理医がどんな仕事をしているのか見て頂ければ嬉しいです。

研修医2年 坂田 悦郎

もともと私は病理に興味はあったものの実際に顕微鏡をのぞいたことはほとんどなく、病理に関する知識といえば学生自体に一夜漬けで詰め込んだものくらいでした。何となく面白そうだな、と軽い気持ちで病理研修を選択した私ですが、結果として4ヶ月の長きにわたり病理でお世話になることになっていました。なぜ病理にそんなに引き込まれたのか、それは病理学そのものの魅力もさることながら、熊大病理診断科がすばらしい病理研修を受けられる環境だったからです。そんな熊大病理診断科の魅力について少し語ってみたいと思います。

  • 朝カンファレンスをはじめとした質問しやすい環境と雰囲気

    熊大病理診断科では週4回朝カンファレンスがあり、全スタッフ集合して診断に困った症例を持ち寄り、鏡検しつつ上級医に指導を仰ぐことができます。雰囲気も穏やかで、研修医でも気軽に(レベルの低い?)質問ができます。また、その際に他の先生が提示した症例にも触れることができるため、病理診断を進めていく上で陥りやすいピットフォールや、ありがちな失敗のパターンについての知識も知らず知らずのうちに増えていきます。自分が提示した症例で勉強+他の先生が提示した症例で勉強と、二重の効果があげられるわけです。 さらに、それ以外の時間でも診断に行き詰った場合には折を見て随時上級医に相談することができ、疑問をため込まず速やかに解決できるようになっています。実際に自分で診断してみて改めて感じるのですが、顕微鏡を覗きだしてしばらくは何もわかりません。最初の頃はアウエルバッハ神経叢の神経節細胞を神経浸潤だと真剣に勘違いしてレポートを書いていたくらいです。少し困ったな、質問しようかどうしようかな、と迷った時に緊張せずに質問できる環境があるのは、研修する上で目立たないけれど非常に大事なファクターだと思います。
  • 優れた指導医からマンツーマンでの指導が受けられる

    三上教授をはじめとした優れた指導医から的確な指導を受けることができます。研修医が鏡検した検体は基本的に教授に見ていただくかたちになっているので、レポートの記載で誤りがあれば教授の席まで呼んでもらい、対面式顕微鏡を覗きながら誤解していた点や見落としについて解説していただけます。ベテランの先生から、標本のなかで注意して見るべきポイントについてマンツーマンで指導してもらえる環境はとても貴重です。他の科では教授クラスの上級医の先生に直接面倒を見てもらえることはないですからね。 また、ときどきですが、三上教授のもとに面白い症例・教育的な症例があった場合はスライドを渡され、自分で診断する機会を与えてもらえます。抜き打ち試験のようでちょっとプレッシャーですが、うまいこと診断を当てられたときは自分の診断力が日に日に向上していることを実感でき、心の中でガッツポーズしてしまうくらい嬉しいです(そもそもそんなにしょっちゅう正解できませんが)。膀胱褐色細胞腫を当てたときのことはよく覚えています。
  • 豊富で偏りの少ない症例

    大学病院という特性もあり、全科が揃っていて、なおかつ豊富な症例のもとでトレーニングを受けることができます。スーパーローテート研修では自分が将来興味のある科の検体を中心に診断することも可能で、病理医を目指す人以外も自分の目的に合わせて病理を学ぶことができます。市中病院では症例が限られる婦人科悪性腫瘍や脳腫瘍、骨軟部腫瘍についても切り出しを含めて学ぶことができるため、将来これらの科を志望する人にもおすすめです。

長くなりましたが、熊大病理診断科の魅力は他にもたくさんあり、上に書いたのはごく一部です。病理に興味がある方はぜひ熊大での病理研修を選択してみてください。きっと医師としてやっていくなかで一生役に立つ経験ができるはずです。

研修医1年 森永 剛司

病理部での研修を終えて

 私は1ヶ月の間病理部で研修をさせていただきました。病理部を回った理由は、臨床では病理の結果を受けて診断が行われており重要な部署であるという認識はあったものの、学生時代に十分に病理を学ぶことができなかったため、また診断から治療にいたる過程を病理の立場から見てみたいと思ったからです。

 病理での研修は顕微鏡による診断を始め、検体の切り出し、凍結標本の作製、術中の迅速診断など多岐にわたるものでした。その中で驚いたことは、病理はどの科においてもかかわり合いがあった点です。内科の生検における診断、外科にて切除された標本の診断・その標本にて病変が確実にとれきれていることの確認など、実際私が病理部以外の科での研修中に病理と関わりのない科はありませんでした。それだけ学ぶべき分野も広く、診断がその後の治療法を左右し、ひいては患者さんの人生にまで影響することを考えると責任のある部署ではありますが、同時に非常にやりがいを感じました。

 また顕微鏡で標本をみる際は構造だけをみるのではなく細胞の性状もみる、細胞にとらわれるのではなく構造もみるといったように、臨床的なマクロの視点だけでなく、病理学的なミクロの視点もあり、多方面からとらえることの重要性を学びました。

 病理部での研修を終え、前述したことだけでなく、より正確な診断を行うためいかに検体・標本を扱うか、病理からみた臨床への視点など多くを学ぶことができ、大変貴重な時間を過ごすことができました。これも三上教授をはじめとする病理部のスタッフの方々が親切にご指導をしていただいたおかげだと感じております。4月から研修医2年目が始まりますが、今回学んだことを忘れず、これからも勉学に励みたいと思います。最後になりますが病理部のスタッフの方々に感謝の意を込めて、結びの言葉とさせていただきます。本当にありがとうございました。

熊本大学医学部医学科 6年 新堀 莉沙

病理部でのクリニカル・クラークシップ (クリクラ) を終えて

今回、6年生のクリクラ実習として3週間病理部で実習をさせて頂きました。
20を超える選択実習先の中で、私が病理実習を選択した理由は2つあります。

  • 昨年度 (5年生) の実習で三上教授の質問に全く回答できず不甲斐なかったため。

  • 臨床実習を続けているうちに、臨床診断においても組織所見の理解が必要であると感じたため。

上記2つを克服するために、3週間病理部で実習することを決めました。

今回の実習で、三上教授や病理部の先生方に解説していただきながら顕微鏡を一緒に覗く機会を頂け、3週間で幅広い知識と病理学的な診断方法をしっかりと学ぶことが出来ました。
時には生化学的な知識にも触れ、基礎医学の必要性まで感じさせられました。
毎日が新しい知識で溢れ、整理することに必死ではありましたが、今回の実習によって根拠のない臨床症状の知識が組織像によって裏付けされ、二つの結びつきを想像する楽しさを知ることができました。

学生の間に病理学に興味を持つ人は少ないですが、臨床症状をこんなにも教えてくれる病理学は、学生の期間からしっかり学ぶべきだと今は強く感じています。
将来、病理医にはならないかな…、顕微鏡苦手…という方も是非一緒に頑張って学びましょう。

最後になりますが三上教授のデスク横に、‘Teaching is a work of the heart’という言葉が飾ってあります。熊本大学病理部はこの言葉が非常に似合っている場所です。
是非、学生期間、研修医期間でも、病理学の面白さ、熊本大学病理部の素晴らしさを知って頂けたらと感じます。きっと毎日が新しい知識と組織標本とで溢れ返ります。

医師の先生方、技師の先生方、受付の方々、3週間お忙しい中大変お世話になりました。
実習で得たものを無駄にしないよう日々精進してまいります。
またお会いした際もどうぞ宜しくお願いします。


興味のある方へ

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