教授挨拶

熊本大学医学部附属病院 病理部(病理診断科) 部長/教授 三上芳喜

教授

熊本大学医学部附属病院病理部・病理診断科のミッションは
(1)病理組織診断 Histopathological diagnosis
(2)細胞診 Cytology
(3)術中迅速診断 Intraoperative consultation
(4)病理解剖 Autopsy
(5)研究・教育 Research and Education
で構成されています。

病理組織診断は生体から外科的に採取された組織の形態を顕微鏡によって観察し、患者の病態を把握して病理診断を確立するもので、診療に必要な情報を各診療科の医師に提供する臨床医学分野の一つです。この専門領域は外科病理学Surgical Pathology、診断病理学Diagnostic Pathology、あるいは解剖病理学Anatomic Pathologyと呼ばれています。病理組織診断を専門とする医師が病理医Pathologistsで、本邦では一般社団法人日本病理学会が認定する病理専門医という資格があります。「病理検査」という用語がありますが、病理診断は医師が行う医療行為であるため、これを用いることは必ずしも適切ではありません。また、病理診断科という名称は厚生労働省によって広告可能な標榜診療科として認められています。熊本大学医学部附属病院では機構上は病理部が存在し、診療科として病理診断科が存在しており、一体として業務を行っています。検体から標本を作製する部門が病理部、病理診断を行う部門が病理診断科、と位置づけることができます。


正確な病理診断は病院全体の診療の質の維持・向上に必要不可欠なものです。病理医は患者の目の前に現れることはありませんが、主治医の先生方が一人ひとりの患者にとって最適な治療を行うためのお手伝いをしています。すなわち、病理部・病理診断科は病院の中央診療部門におけるインフォメーション・センターともいえます。高度医療に対応した質の高い病理診断、細胞診断を迅速に提供するため、熊本大学医学部附属病院病理部・病理診断科では臨床検査技師、細胞検査士、病理医がともに自己研鑽に励むとともに、病理診断技術力の向上、精度管理に努めています。


 形態観察およびそれに関連する各種特殊染色技術、免疫組織化学、切片上での遺伝子解析技術は医学研究においても研究手法として重要な位置を占めることが少なくありません。従って、私達は独自の研究を展開する一方で、診療科が行っている研究、多施設共同臨床試験の支援も行っています。


病理専門医は病院全体の医療の質を担保するインフラであるといえますが、現在日本では全医師に占める病理医の割合が約0.6%であり、人口補正後をしますと米国の約6分の1に過ぎません。こうしたことから、高い専門性を有する病理専門医の確保に努める一方で、次の世代を担う若手病理専門医を育成すべく、魅力的な研修プログラムを構築し、充実させていきたいと考えています。同時に、病理診断科以外の診療科を志望する医学生・研修医のために、病理学的思考ができる臨床家を養成できるような卒前・卒後教育を行っています。高いモチベーションを持って診療を支援する病理専門医、病理学的思考ができる臨床家を育成することも私たちの重要な使命であると考えています。

略歴

  • 1990年3月弘前大学医学部卒業
  • 1990年4月東北大学医学部附属病院病理部医員(研修医)
  • 1992年4月川崎医科大学附属病院病理部シニアレジデント
  • 1996年4月川崎医科大学病理学講師
  • 1997年7月ニューヨーク大学医療センター病理部門客員研究員
  • 1998年7月川崎医科大学病理学講師(復職)
  • 2002年10月東北大学大学院医学研究科病理形態学分野講師
  • 2005年4月京都大学医学部附属病院病理部講師
  • 2007年7月京都大学医学部附属病院病理部准教授
  • 2014年4月熊本大学医学部附属病院病理部教授
▲ PAGE TOP