診断 : Cutaneous ciliated cyst(Cutaneous ciliated “mullarian” cyst)
Cutanenous ciliated cystは非常に稀な良性嚢胞で、若年女性の下肢に好発することが知られているが、腹壁、臍部、手指、臀部などに生じた例が報告されている。組織学的には嚢胞壁は繊毛を有する円柱あるいは立方上皮で被覆されており、一部で扁平上皮化生が見られることがある。腺組織や筋組織の混在は認められない。免疫組織化学的にはPAX-8、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、WT1が陽性で、ミュラー管上皮との関連が示唆される。女性では胎生期にミュラー管が胎生期に卵管、子宮、膣の一部に分化するが、ミュラー管の近傍から下肢が発生するため、下肢の皮下組織にミュラー管が遺残することがあると考えられている。そのため、思春期を迎えて女性ホルモンの影響下で嚢胞が形成されるとみられている。