<解説>H15-004 左頬部、切除生検 60代、女性

サイトケラチン5/6

診断 : 診断:紡錘形細胞型扁平上皮癌(Spindle-cell squamous cell carcinoma)
皮膚扁平上皮癌(SCC)にはいくつかの亜型が存在し、WHO分類では acantholytic SCC(棘融解型 SCC), spindle-cell SCC(紡錘細胞型 SCC), verrucous SCC(疣状 SCC), pseudovascular SCC(偽血管型 SCC), adenosquamous carcinoma(腺扁平上皮癌) が含まれている。紡錘細胞型 SCC は腫瘍細胞が細長い紡錘形で、通常の扁平上皮癌にみられるような充実性胞巣を形成せずに個別性に浸潤する。転移の頻度が高く、転移性皮膚扁平上皮癌の 1/3 を占める。一部に典型的な扁平上皮癌の成分を伴う場合もあるが、紡錘細胞のみで構成され角化を欠く場合には非上皮性腫瘍と誤認される可能性がある。鑑別診断としては悪性黒色腫、異型線維黄色腫、皮膚隆起性線維肉腫、平滑筋肉腫などが挙げられる。免疫組織化学的に紡錘形細胞型扁平上皮癌ではサイトケラチン(CK) CK5/6、p63 が陽性となるのに対して、S-100 蛋白、HMB45、Melan A、デスミンは陰性となる。