<解説>H15-005 横行結腸(生検) 30代、男性

診断 : 腸管スピロヘータ(Intestinal spirochetosis)
ブラキスピラ Brachyspira 属のグラム陰性菌である B.pilosicoli と B.aalborgi による人畜共通感染症で、ブタ、イヌ、ネコなどにも感染する。主として糞便による経口感染で罹患する。家族内あるいは地域内で広範囲に感染がみられる場合と、後天性免疫不全症候群(AIDS)あるいはその他の免疫不全の患者において日和見感染として発生する場合がある。感染頻度は文献によって様々で、大腸生検材料を用いた検討では慢性下痢患者の 0.7%、有症状者 の 5 %が感染しているとの報告がある。同性愛者では 30 % と高率に感染しているとの報告もある。腹痛、慢性下痢などの症状が知られているが、無症状であることが多く、偶然発見されることが少なくない。