教授コラム

2015年06月01日

HAARLEM CONSENSUS RECOMMENDATION

HAARLEM CONSENSUS RECOMMENDATION

 2016年春に向けて脳腫瘍のWHO分類の改訂作業が進んでいます。脳腫瘍の領域では分子診断が重視されるようになり、それに伴って病理診断のあり方が大きく変わっていくものと予想されます。その具体的なかたちが国際神経病理学会 International Society of Neuropathology(ISN)が主導して作成された Haarlem Consensus Recommendation に示されています。
 このガイドラインでは、病理診断は階層化(layered)され、最終的には遺伝子検索の結果を含む全ての情報を統合した診断(Integrated Diagnosis)が最終診断となります。Oligoastrocytoma は HE 診断名としてはなくなる見込みで、代わりに『Diffuse glioma, NOS』と記載されることになり、1p/19q co-deletion の有無などに関する情報がある場合には Integrated Diagnosis は『Oligodendroglioma, 1p/19q co-deleted, ATRX intact』ないし『Diffuse astrocytoma, 1p/19q non-deleted, ATRX loss of expression』のいずれかになります。
 具体的には以下の様なフォーマットで我々病理医は診断することになっていきます。
 
【報告書サンプル】
INTEGRATED DIAGNOSIS      OLIGODENDROGLIOMA
                 WHO GRADE II
                 MITOTIC COUNT (PHH3)
:3/10HPF
                 KI-67:2.3%
                 IDH STATUS (IHC): POSITIVE
                 p53 STATUS (IHC): NEGATIVE
                 ATRX STATUS (IHC): POSITIVE (INTACT)
                 1p/19q CO-DELETION (FISH): POSITIVE


参考文献
Louis DN et al. International society of neuropathology-Haarlem consensus guideline for nervous system tumor classification and grading. Brain Pathology 2014; 24: 429-435
http://onlinelibrary.wiley.com/…/abstract;jsessionid=7E4B1F…
 
 
 

2015年04月30日

北米病理学会(United State and Canadian Academy of Pathology)
国際乳腺病理学会(International Society of Breast Pathology Companion Meeting)コンパニオン・ミーティング
(2015年3月21日~27日、ボストン)

北米病理学会(United State and Canadian Academy of Pathology)
国際乳腺病理学会(International Society of Breast Pathology Companion Meeting)コンパニオン・ミーティング
(2015年3月21日~27日、ボストン)

 乳腺部分切除組織の断端評価と取り扱い(追加切除の推奨など)に関して、病理医、乳腺外科医、放射線科医が SSO-ASTRO(Society of Surgical Oncology–American Society for Radiation Oncology)のコンセンサスを踏まえて議論しました。
 腫瘍細胞がインクの塗布された断端に露出していない限り切除断端は『断端陰性』であると解釈するのが一般的ですが(断端と腫瘍の距離が1 mm、2 mm、5 mm以上離れていることを陰性と判断する基準とした場合、局所再発リスクが異なるというエビデンスがないことがその根拠となっています)、腫瘍と断端との距離が 1 mm 未満で、(1)トリプルネガティブ乳癌である場合、(2)浸潤性小葉癌である場合、(3)患者が若年である場合、(4)広範にDCISが存在している場合、(5)画像上の腫瘍の広がりと組織像が乖離している場合、などは追加切除を考慮してよい、というのが結論でした。病理医は追加切除の推奨について報告書に記す必要は必ずしもありませんが、それを判断するための情報を十分に盛り込むことが重要です。
 
参考文献
http://www.archivesofpathology.org/…/10.5…/arpa.2014-0384-ED

 

































 

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