The Bethesda System for Reporting Cervical Cytology -Third Edition –

2016年02月24日

The Bethesda System for Reporting Cervical Cytology

-Third Edition –

The Bethesda System for Reporting Cervical Cytology

-Third Edition –

まず、ベセスダ分類 The Bethesda System(TBS)における基本的な三原則として以下の3項目が挙げられている。
 
  1. 用語は臨床に適切な情報を伝えなければならない
  2. 診断者や環境などによって分類が変わるようなことがあってはならない
  3. 子宮頸部の最新の知見を反映しなければならない
 
今回、2014年にTBSの報告様式が改訂される運びとなった。
 
改訂の背景には、液状化検体細胞診Liquied-based cytology(LBC)の普及や、HPV DNAテストの併用(co-test)などを含むいくつかの変化に加え、HPVに関連する知見が集積されたこと、国際的にHPVワクチンが普及したこと、HPVワクチンの接種によって実際にHPV16,18型関連病変が減少したこと、などが挙げられる。今回の改訂における主な変更点と議論は以下のとおりである

(1)子宮体部内膜細胞の取扱い
 旧版のTBS(2001年)では、注意すべき子宮内膜細胞を拾い上げるために「40歳以上」とされていたものを「45歳以上」に引き上げたことである。これは、時々スクリーニング時に目にする悪性と鑑別困難な良性異型を拾い上げるため、40歳以上の女性で区切っていたものを、45歳以上で区切るとより精度が上がることが判明したためである。

(2)LSILとHSILの判別が困難な場合の判定カテゴリー
 LSILかHSILか鑑別困難な場合に「LSIL-H」のような判定カテゴリーを用いるようにすることも検討されたが、これは事実上3段階分類につながり、2段階分類を基本としたベセスダ分類の思想を否定することになりかねない、曖昧な細胞診用語の濫用は判定の再現性を低下させ、臨床医の間で混乱を生じさせ、治療が不適切なものとなる可能性がある、LASTガイドライン(2012年)およびこれをもとに改訂されたWHO分類(2014年)における扁平上皮癌の前駆病変の組織分類でSIL、HSILからなる2段階分類が採用されたこと、などが挙げられる。HSILを疑わせる細胞所見があるLSILの場合には、ASC-Hと判定するか、あるいはLSILと判定してコメント欄にHSILが併存する可能性があることを明記することによってコルポスコピーが実施されるため、患者マネジメントは適切に行われると考えられる。
 
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